第60回日本社会医学会総会

The 60th Annual Meeting of Japanese Society for Social Medicine

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第60回 日本社会医学会総会 大会長

櫻井 尚子

テーマ

「人々の生命(いのち)と生活(くらし)と生きる権利(人生)を守る社会づくり」

還暦に当たる第60回を東京慈恵医科大学で開催させていただきますことは光栄です。

日本社会医学会の源流であった社会医学研究会の初代学会長のお一人である曽田長宗先生は「社会医学のはるかな道」の中で「医学の社会化」について述べられています。前回は、「前を向く社会医学~次世代への胎動~」と題して、ひとり一人の居場所を大切にする社会の形成が重要であり、学会の目指す方向が推察されたと考えます。社会医学は、川下で生じている目の前の課題だけでなく、川上の課題を解決する視点をももつ研究・実践活動が大切であると考えます。そして、多様な領域の研究者・実践家が共に話し合い、社会の問題を課題として前向きに話し合い取り組むことが求められているのではないでしょうか。

次世代を支援する社会づくりとして「子どもの貧困と家族への支援」「子どもの権利…」について、スウェーデンからイヴァルソン教授(通訳あり)にお越しいただけることになりました。高齢者を支援する社会づくりとして「高齢者医療と倫理」「健康寿命に寄与する口腔ケア」を、セーフネットの社会づくりとして「生活保護受給者の健康支援」を企画しています。

人は生物として生きるだけでなく、ひとり一人の物語を紡いで人生を生きています。臨床や地域および教育の場等における日頃の実例や気付きを通して、住民や患者さんの幸せを目指す社会づくりへの思考を、ひとり一人の人生を生きる権利を私たちがどう捉え支えるかを共に考えていけたらと思い「ものがたりセミナー」を企画しました。

日本社会医学会学術誌である「社会医学研究」には多くの投稿論文がなされています。編集委員会企画「研究の進め方」を、また、人々の物語を研究データにする「質的研究」教育講演をもうけました。

会場の東京慈恵会医科大学は、脚気の疫学的臨床研究を行った高木兼寛を学祖として130年の歴史を持ち、英国医学を取り入れた私学としての道を歩んできました。社会医学の視点からご紹介したいと特別講演を企画いたしました。

本学会では曽田長宗先生の思いの初心を確認し、保健師、法律学者、総合診療医師、哲学者、歯科医師、看護師、公衆衛生医師、小児科医師、大学や行政や子育て支援組織など多様な職種と働く場の方々にお願いし、多様な見地から社会医学を俯瞰し、日々の実践の活動に寄与できればと考えます。

開催会場

東京慈恵会医科大学
国領キャンパス
〒182-8570
東京都調布市国領町8-3-1

リンク

事務局

第60回 日本社会医学会総会 事務局
東京慈恵会医科大学医学部看護学科内
E-mai:60jssm@jikei.ac.jp
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